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  [104] Re(1):原子力への投資の方法論ー山口さんはどう考えます?
  
        
  
> 最近、ある原子力の専門の方やそういった人達と話す機会があり、話していましたところ、
> しかし、研究費が下りないようなのです。


独立行政法人になって以降、日本の大学関係者からその手の話しを聞くこともあったのですが、あれは本当に前途多難だと思わざるを得ませんね。5628さんのお知り合いの方の勤務先はわかりませんが、なんとなく状況は想像できる気がします。


> 基本的には、電気事業・原子力事業は一般的には半国家事業であり、これらについての研究
>費等の投資義務は、国やそれに準じる機関の義務であると考えられます。


エネルギー関連事業は半国家事業というより、国家事業そのものでしょう。なぜなら最終市場(末端電力価格)をコントロールしているのは政府ですから。

投資資金は官民を広く混ぜた「プロジェクト・ファイナンス」としてアレンジする手もあります。ぼくの専門ではありませんが、ある程度確立している手法で、一流の専門家をご紹介することも可能。この種の案件のボトルネックはひとえに法制度、政策、政治・社会面からのサポートなど、純粋なファイナンスとは別次元の部分にあると思う。従って現場の研究者ではなく、はるか雲の上の彼方にソノ気がないと事の性質上かなり困難でしょう。


> そこで、考えてみたいのは、
>「もし、投資家や産業界が、このようなものに投資できるか?」
>「投資するとしたら、そのための条件とは何か?」
>「投資家・産業界は長期の投資ができるか?どういう条件下なら投資が可能か?」
>「投資期間のスパンはどれくらいが相応しいか?」
>ということです。
> 私はこれについて詳しくないので、山口さんなどにお答え頂ければありがたいのですが....


そこらへんのボトルネックがクリアされ、民間が動けるに足る投資環境が整ってはじめて民間は動くと思います。セオリーやプロシージャーは大枠でこの世に存在しているのから、結局は上のヤル気(国策)次第。こういうイシューはボトムアップ方式の民主主義スタイルではニッチもサッチもいかない。全ては指導者層のビジョンや決断力に委ねられるでしょう。

で、現状では100パーセント無理なのでしょう。日本の原子力関連のファイナンスのことは全く知りませんが、これまでのお話しとぼくの一般常識から、民間が収益を上げるチャンスは皆無と判断できる。

「利益優先主義めっ!」・・・的な批判に先回りしておきますが、全ての民間人にとって会社等のリソース(ヒト・モノ・カネ)は自身の持ち物ではありません。また遊び金・税金・献金(爆)のように浪費可能なシロモノでもありません。株式会社である限り収益を上げるという至上命令は崩せず、そうでない会社は淘汰されてしまう。そういう世界に生きています。

そういう枠組みの範囲内でご協力できる部分があれば(その部分を作るのが前述のファイナンス手法なのですが)、タームは3年でも5年でも10年でも・・・というのが、民間サイドの考え方だと思います。なお投資に際して見込損失額が非常に大きく、かつ見返りがゼロの場合は、どんなに相手が強かろうとイラク戦に反対するドイツのような対応になるでしょう。

奉加帳を回すような案件ではないと思いますので。いろいろ書きましたが、民間の視点で一言質問するならば「で、そこに投資して、一体いくら儲かるんですか?」と。
 
  
  
  
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