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  [397] アメリカ15位 日本1位 保健医療制度の評価
  
        
  
 こんにちは。
 常々、「日本の医療は悪い」「アメリカの医療は....」と言う連中が多いのです。
 前に、こともあろうに@川利明氏あたりがかようなことを言っておりましたので、散々言わせていただきました。
 全体の制度評価をあまりせず、ある種の執着心で比較をし、評論し、その評論に的確性がないというマスコミやジャーナリストのレポートが多く、これはジャーナリズムの信頼性を貶め、このジャーナリスト自身がジャーナリズムを冒涜しかねないからであり、本人のためにならないからです。

 さて、2000年にWHOが各国の保健医療制度をランキングしたところ、日本は1位という
「意外にもすばらしい評価」をもらい、アメリカは15位と「先進国中、とんでもなく低い順位」でありました。

 部分的、つまり個々の最先端ではアメリカはすごいのです。
 しかし全体的なもの、つまり自己負担率については56パアセントという恐ろしい負担率になっているからです。
 こうなりますと、標準的な治療を受けることすら事欠く人間が多くなる。

 日本は、これとは逆のことで、最先端はやりにくい面はあるが、標準的な治療が受けやすく、これによって多くの人々が助かっている面があるわけです。

 しかしながら、15位のアメリカというのはいくらなんでも異常過ぎると考えます。

 
 
  
  
  
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  [398] Re(1):アメリカ15位 日本1位 保健医療制度の評価
  
        
  
敢えて、名前を出します。古川利明氏の著作で、あなたが殺される病院の仕組みのことですね。
視点がずれているのではないでしょうか。
まず、古川氏の論点の第一点は、医療の主体は、受益者たる患者が中心であるべきだということから、現在の我が国とアメリカの医療の現況を比較したものです。
最近では、病院側も、患者に対して情報公開し始めているが、医療従事者の不足から、ケアレスミスから、重大な医療過誤に結びついているということ。また、我国の、医師の徒弟制度に、最新の医療技術の進化がおいついていないのではないかということ。これらのことが双幅されて、医療技術が、欧米から遅れをとっているのではないかということです。
5628氏の言う日本が一位というのは、医療保険制度が1位であって医療技術が一位ということではありません。、保険制度と医療技術は決して、同列に論じられるものではないと思います。
古川氏の主張の中で、我国の医療保険制度の歴史を読むと、長い歴史の中で、当時からあまり変わっていない、つまり制度疲労の弊害が、今日の医療現場の混乱に繋がっているのではないかということです。
 
  
  
  
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  [400] Re(2):アメリカ15位 日本1位 保健医療制度の評価
  
        
  
>敢えて、名前を出します。古川利明氏の著作で、あなたが殺される病院の仕組みのことですね。
>視点がずれているのではないでしょうか。

 服部さん、速レスどうも。
 「殺される」というのは余計です。
 医師で、英文の添付文章が読めないでビンカアルカロイド抗がん剤を使う奴は、医者ではありません。それ以前の問題です。
 しかしながら、大抵、故意にかどうかわからんのですが、混同している風が多く見受けられておりますので、私は「保健医療制度」とやっておいたのです。
 
>まず、古川氏の論点の第一点は、医療の主体は、受益者たる患者が中心であるべきだということから、現在の我が国とアメリカの医療の現況を比較したものです。

 私から申しますと、日本の問題とアメリカの問題は毛色として反転した問題の質であることを忘れてはなりません。
 アメリカの場合、スキルはいいかもしれませんが、払えないために「医薬品の臨床実験に参加する」ことと治療を引き換えにされたり、満足な治療を受けることができないことが多くあるのです。
 そうした場合、たとえ技術的には充実していても、助かる人間が少ないわけで、これでは全体として見たときに、問題なわけです。
 日本の場合は、問題としては逆で、反転しています。
 
>最近では、病院側も、患者に対して情報公開し始めているが、医療従事者の不足から、ケアレスミスから、重大な医療過誤に結びついているということ。また、我国の、医師の徒弟制度に、最新の医療技術の進化がおいついていないのではないかということ。これらのことが双幅されて、医療技術が、欧米から遅れをとっているのではないかということです。

 ちがいますね。
 医療従事者やその教育においては、アメリカは充実しています。
 日本の場合は、一人の人間が沢山の医学生たちを教えているのに対し、アメリカは小人数で、師匠が手取り足取り、徹底的に教えているのです。
 どっちが、徒弟制度とお思いですか?
 日本のは、徒弟制度ともいえない。
 かように手取り足取りするだけの教育のための費用もないような中で、よくもまあ、あんだけで済んでるもんです。
 けれども、こういうことには普通あまり気づかずに、医者の質や現場の話ばかりに終始する論調には、医療のためにも医師などのためにも我々受益者のためにも、三方いずれのためにもならぬと考える次第です。
 
>5628氏の言う日本が一位というのは、医療保険制度が1位であって医療技術が一位ということではありません。、保険制度と医療技術は決して、同列に論じられるものではないと思います。
>古川氏の主張の中で、我国の医療保険制度の歴史を読むと、長い歴史の中で、当時からあまり変わっていない、つまり制度疲労の弊害が、今日の医療現場の混乱に繋がっているのではないかということです。

 保険制度ときましたね。
 そこなんですよ。
 しかし、ここを下手にいじくれば、極めて深刻なことになります。
 こうした制度の根本的な趣旨や理念、それを活かすための実践のための趣旨・理念、このための方法論、実践のための方法。
 これら四つに分けて、何が回避できなくて、何が回避できるか、受益として何がえられて、何を失うか。
 これらの問題に丁寧に考えていき、議論を十分に煮詰め且つ醸成させてから、この問題の対応を決めるべきです。

 あと一つ、保険医療制度(従って、医療保険制度を含む)と医療技術の問題を同列に論じてはならぬと、つまり「基本的には関連させるべきでない」と称しながら、貴兄の返信の終章あたりにおいて、保険医療制度が医療技術に関連している印象を受けました。
 過誤の原因が医療技術にあるとすれば、何ゆえ保険医療制度に言及しなければならぬのでしょうか?
 不思議ですね。
 
  
  
  
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  [401] Re(3):アメリカ15位 日本1位 保健医療制度の評価
  
        
  
早速のご返事ありがとうございます。
「殺される」というのは余計です。
まあ、これは、彼のニヒルな性格に起因するネーミングとしましょう。
あの本でも、述べられていることなのですが、医科大学の系列化、そして、大学研究室の系列化という縦割りが、明治以来の医局支配体制として批判もしています。
実は、私の母も、昨年くれ骨折をして、地元の救急大病院に入院して、この割を食いました。
患者よりも自分の身分を大事にするんですね。患者が大きな不安を抱えている時に、自分達のするべきところはここまで、そこからは、自分で探して転院してくれとだけです。これが、患者中心の医療なのでしょうか。
ですから、自分達の息のかかった病院しか紹介しません。そこが本当にいいのかどうか、見に行きましたが、落第点でした。結局、系列外ですが、費用の掛かるところでよく、リハビリ、ケアしてくれる所へ行くことになりました。
話しを戻します。
私の甥が医師をやっていますが、医師としての立場から、医師に失礼のないようにするのが、患者の立場だとまで言われました。身内の者でも、系列に関しては、アンタッチャブルなのです。
このように縦割りで、系列病院まで支配して、医師の行き先を大学の研究室が決定することはどのように理解するべきなのでしょうね。
それから、アメリカの医療教育は、万通まんということは、徒弟制度とは違うと思います。
それは、マイスター制度であって、支配するようなものではないと思います。
其れから、医療保険制度ですが、アメリカのクリントン前大統領は、医療保険制度の確立を諮りましたが、結局出来ませんでした。これは、今もって、あなたが指摘される、アメリカの弱点でありましょう。しかし、我が国がどうすることも出来ません。
それから、加護の問題でご指摘の保険制度と加護は結びつかないという点は、今、我国の医療制度、保険制度改革の論議に具体的にふれられているのでそちらを読まれたほうがよく分かると思います。私の言っていることではないので念のため。一言で言えば、治療積算方式の欠点から来るものです。

>
 
  
  
  
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  [403] まず妥当な評価だと思いますが
  
        
  
日米両国の医療を経験している立場から。いわゆる保険がきく範囲内の医療レベルで日本1位、米国15位という評価は感覚的に「ま、そうだろうナ」とすんなり納得できます。少なくとも日本が世界ナンバーワンであり、アメリカ・イギリスが最低ランクに位置することは容易に想像できる。

日本の今後は、いうまでもなく、あの健康保険制度が維持できるかどうかにかかっていると思いますが、平均的な所得水準やそれ以下の人を想定すると、現状では日本人として日本で暮らすほうが絶対に長生きできるでしょう。問題はあれど、日本人は国際的にみて相当恵まれた環境に置かれている、という現状認識は大事だと思う。

アメリカの場合、医療と教育に関しては、ご指摘のように日本に比べてかなり良質で至れり尽せりのサービスを受けることができます。しかし費用はあちらの言い値で、請求書の金額は日本と一桁違う・・・と思う。たぶん。その代わり、顧客(断じて“患者”ではない)のワガママはまかり通り、快適さや満足度も全く違ってきます。顧客は医療サービス(ナレッジ)の対価としてお金を払います。

日本も高所得者ならアメリカ的なバブリーな医療にもっと容易にアクセスできるはずだと思うのですが、現行制度でドンブリ勘定になっているため、上が割りを食い下が恩恵を受ける形になっているのだろうと想像します。医師の顧客に対するロイヤリティーが低下した原因はそこにあると思う。頑張っても実入りが増えないのなら、権力を振りかざして威張るしかない・・・という人だって出てくるでしょう。たぶん。これは一部の公務員・教師にも共通すると思います。


で、ドライな言い方になりますが、高度医療によって救済されない人が出てくるのは避けられないと思う。なぜなら、専門家による高度なサービスとは、人権運動や労働争議のようにデモ行進や条件闘争などで暴れた末に獲得するものではなく、単純にお金をもって購うものだからです(古川さんの著書は読んでいませんが、おそらくここらへんに誤解があるのではないでしょうか?)。結果、米国では一握りしか救われず、日本では全員が救われない。つまり、日米のどちらであろうと大多数は救われないという結論になると思います。


うーむ。血も涙もないようなオチですみません。
 
  
  
  
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  [407] Re(1):まず妥当な評価だと思いますが
  
        
  
>日米両国の医療を経験している立場から。いわゆる保険がきく範囲内の医療レベルで日本1位、米国15位という評価は感覚的に「ま、そうだろうナ」とすんなり納得できます。少なくとも日本が世界ナンバーワンであり、アメリカ・イギリスが最低ランクに位置することは容易に想像できる。

 おこんにちは、お久しぶりです(^^)。
 
 ところで、原子力関係ですが、米国デービスベッセ原発で深刻なトラブル発生で、打撃を受けております。歴史上初めてではないかと思われるものです。
 あと、ORNLやANL(いずれも米国の原子力研究所)にて希望の持てそうな良い研究、IAEAの1999の「革新型原子炉開発」で「廃棄物処理のための原子炉開発計画」として、「トリウム溶融塩炉FUJIの国際開発(米・日・露)」「鉛・ビスマス高速炉」が認知されております。
 こういうことが、もっと各国国民に知らされる世の中でないといけません。
 
>日本の今後は、いうまでもなく、あの健康保険制度が維持できるかどうかにかかっていると思いますが、平均的な所得水準やそれ以下の人を想定すると、現状では日本人として日本で暮らすほうが絶対に長生きできるでしょう。問題はあれど、日本人は国際的にみて相当恵まれた環境に置かれている、という現状認識は大事だと思う。

 それが重要です。
 政策としては、制度としては、全体的に最適化されているように思います。
 ところが、比較的多くのマスコミなんかは「木を見て森を見ず」ということを「痴愚にも似た情熱的善意」でやってしまうため、この認識が欠けています。
 
>アメリカの場合、医療と教育に関しては、ご指摘のように日本に比べてかなり良質で至れり尽せりのサービスを受けることができます。しかし費用はあちらの言い値で、請求書の金額は日本と一桁違う・・・と思う。たぶん。その代わり、顧客(断じて“患者”ではない)のワガママはまかり通り、快適さや満足度も全く違ってきます。顧客は医療サービス(ナレッジ)の対価としてお金を払います。

 すなわち、「金が無いのは客で無い」わけで、貧困層あたりは、医者のボランティアや慈善団体の皆さんによって運営されているところの医療ボランティアで、辛うじてなんとかなっておりますけど、彼らの状態はきわどい。

 マスコミ・ジャーナリズムの連中は、それを知っているんでしょうかね?
 
>日本も高所得者ならアメリカ的なバブリーな医療にもっと容易にアクセスできるはずだと思うのですが、現行制度でドンブリ勘定になっているため、上が割りを食い下が恩恵を受ける形になっているのだろうと想像します。医師の顧客に対するロイヤリティーが低下した原因はそこにあると思う。頑張っても実入りが増えないのなら、権力を振りかざして威張るしかない・・・という人だって出てくるでしょう。たぶん。これは一部の公務員・教師にも共通すると思います。

 ドンブリ勘定というよりは、何か別の要因のほうが多いと思います。
 権力ふりかざすとか、学閥系列というのは、保険医療制度のある以前から存在していたわけです。
 ここは、「パイをめぐる争い」と考えてみてもいいでしょう。
 ある種の気質とかです。
 あと、日本の医師というものは基本的に「誠実な連中」が多いものです。
 ところが、「変な奴」は目立つものですので、悪く言われてしまう。
 人間一般の心理的機構も働いていますね。

>で、ドライな言い方になりますが、高度医療によって救済されない人が出てくるのは避けられないと思う。なぜなら、専門家による高度なサービスとは、人権運動や労働争議のようにデモ行進や条件闘争などで暴れた末に獲得するものではなく、単純にお金をもって購うものだからです(古川さんの著書は読んでいませんが、おそらくここらへんに誤解があるのではないでしょうか?)。結果、米国では一握りしか救われず、日本では全員が救われない。つまり、日米のどちらであろうと大多数は救われないという結論になると思います。

 公共のための制度を考えるとき、「何を目的にするか?」を考えないと、有限の資源を効率的に使用できません。
 日本の場合を見てみると、「多数の健康・機能の維持」という面で見てみますと、ベストに近いと愚考します。
 それでも、「もっと@@」というのなら、「安いコストで過誤が起こらないようにする方法の立案」とか「過誤が起こらないような制度の設立のためには、こちらも保険医療制度の本旨を損なわない範囲で、可能な限りの負担をする覚悟をする」必要と義務があります。
 「権利がある」のと「権利を行使する」というのは、別のことであると思うべきです。
 それもせずに、「もっと@@」というのは「ないものねだり」というものであって、民主主義だとほざいて権利を振りかざし、民主主義国家を「サンタクロース」と思っている連中のすることです。
 
>うーむ。血も涙もないようなオチですみません。

 制度論を考えるというのは、そういうことです。
 立場がちがうとまた別でしょうが、それはそれ、これはこれ。
 
  
  
  
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  [409] Re(1):アメリカ15位 日本1位 保健医療制度の評価
  
        
  
 医療の何を評価するかによって、このあたりの順位は変わってくると思います。

 大多数の国民に、一定の水準の医療を広く提供するという点では、日本の保健医療制度は世界に冠たるものでしょう。最大多数の最大幸福をもたらす手段としては、極めて優れた実績を残していますし、日本の平均寿命が世界のトップクラスであることも、そのあらわれだと思います。「日本型共産主義」の最良の成果のひとつではないかと。
 世界1位という評価は、妥当でしょうね。

 ただ、医療の透明性と言う観点からは、米国の医療に学ぶことは多いんじゃないでしょうか。医療保険制度が優れているということとは、また別の問題です。

 古川さんが米国の保険制度に言及したのは、白川BBSでのことですね。
 著書ではあまり触れていませんので、この件については参考資料になりません。
 医療保険制度に関しては、古川さんはアメリカの制度を買い被っているように思います。ただ、彼の場合、取材しているうちに問題点を目のあたりにして怒りが沸いてくるというのがパターンのようですから、米国の医療制度を現地で取材するようなことがあれば、いろんな問題点を目にして最後には「怒りのルポルタージュ」になるんじゃないでしょうか(^^;)。
 そうなったら、創価学会三部作に続いて医療問題三部作になってしまいそうですが。

 彼の著書に関してもう少しコメントするならば、その主眼は、むしろサブタイトルの「システムとしての医療過誤」という言葉にあります。医療界の閉鎖性(外部はもちろん患者側にも治療内容や結果を明らかにしない)、独善性(客観的根拠に基づいた医療を行っているとは限らない)、日本的モラルハザード(責任を取るべきトップが一番責任をとらない)が医療過誤とその隠蔽の背後にあることを明らかにしています。さらに、それが官僚や経済界などにみられる戦後日本型システムと同質のものであり、その制度疲労によって時代とそぐわないものになって危機に瀕していると論じているわけです。
 
  
  
  
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