|
>リンク先の法律や上の文章を読むと、利害関係を持って政治家に接触し便宜をはかってもらってお礼でお金を渡すことは絶対的な悪であるかのように読めます。しかし法律が利害調整のツールである以上、国会・国会議員は、法律に優るとも劣らない利害調整マシンのはず。幸い今のところ経験はありませんが、実際問題、政治家に便宜をはかって欲しいと思うような状況は容易に想像できます。それを水際で封じたらどうなりますか?利害調整の場としての議会・議員はその持てる機能の多くを喪失する。昨今の国会が形骸化・儀式化している背景の一つがそれだと思います。
以下、私が個人的に考える項目を箇条書きにして進めます。
■法律が利害調整のツールか?
本来、法というものは「社会生活の秩序を維持するために、統治者や国家が定めて人民に強制する規範」的なものであります。言ってみれば国が定めた間尺を基準に物事の価値判断・線引きを容易くするためのものです。それが直ちに「利害調整のツール」となるかどうか。おそらく山口さんが言われていることは個別企業等々が経済活動を営む上で発生する、主にその企業が所属する狭い範囲の経済分野での諸問題に限定されてのお話ではないかと考えます。国会で取り扱う法案は国政に関わるものが主体でありますので多岐に渡ります。これが直ちに狭い範囲でのこれらの利害の調整に結びつくかとは簡単にいえないと思います。
■国会・国会議員は、法律に優るとも劣らない利害調整マシンか?
したがって国会及び国会議員は広義の意味で「利害調整マシン」などではない、と考えております。
■国会の権限とは何か?
(衆議院・国会の権限より抜粋)
・国会は国の唯一の立法機関でありますから、言うまでもなく 法律を制定することが最も重要な役目ですが、そればかりではなく、予算その他国の財政に関する議決をすること、条約の締結を承認すること、内閣総理大臣を指名すること、憲法の改正を発議することなどの役目を持っています。
・衆議院および参議院は、共同してこのような国会の権限を行使するほか、一方では、各議院は、他の議院と関係なく独立して行使する権限を持っています。
・各議院はそれぞれ国政についての調査を行い、これに関して証人の出頭、証言や記録の提出を求めることができます。また、国民からの請願を受けて、これを審議します。
・さらに、各議院は、議長・副議長・常任委員長などの役員を本会議において選挙します。なお、各議院において必要があると認めたときは、特別委員会を設置することができます。
・各議院は、そのほかに議院の会議や内部の規律などについて規則 をつくったり、院内の秩序をみだした議員があるときには懲罰を加えることなどができます。
>日本に比べて議会政治がワークしているアメリカには、ご存知のようにロビイストという制度・職業があります。彼らはたとえば、やまりんのように政治的に困っている会社の利害を代表し、議員・秘書・官僚などのあらゆる政治勢力にアクセスして有利な条件を引き出し、不利な措置が取られそうなときはそれを阻止し、ひいては世論対策まで行う高度な専門職です。コネも芸もない民間人が逆立ちしてもできないことを可能にするのだから、案件にもよりますが、相応の報酬を得ます。利害の数だけロビー活動はあり、身近なところで通称ジャパン・ロビーなる人たちもいます。日本のクライアントの利益を代表して、有償でアメリカ議会への工作やマスコミ対策を行う人たちです。竹下さんよろしく政治は利害調整の場で、しかも議会が持つ力は本質的に強大です。そこに個別の利害を持ち込み反映させる政治過程として、ロビイストは重要な機能と役割を果たします。今回ムネオさんがやったことは、アメリカ的にいえばロビー活動に他ならない。
>
>日本の場合、大から小まで陳情が実に多いと議員が嘆く状況があると側聞します。国会議員の実態としてロビイストとコングレスマンを同一人物が兼ねており、その利害相反は必然的に問題になるのだろうと思います。だからといって、泥臭くて現ナマが飛び交う深刻な利害を政治の表舞台に持ち込めないとすればどうなるか?その高度に議会政治的な政治過程は地下に潜るか、さもなくば議員が重要な機能を放棄して国会を儀式化するか、あるいは法を無視した慣行がまかり通るようになるか、はたまた今回のようなお手盛りの魔女狩りが行われるか・・・。そんな状況の政治家・国会議員に、一体我々はどんな役割と機能を求めたらいいのでしょうか?これは日本政治の構造問題だと思います。
■国会議員の副業
日本の国会議員の場合、選挙区に公共事業を誘致できなければ無能と見られます。誘致してあたりまえ、さらに金額の大小が評価の対象にすらされます。これは国会議員の主な役割に国家予算の作成があるからです。国会議員は当選後、どこかの専門委員会に所属することになります。これが族議員の始まりでありますが、所属する委員会の性格により公共事業向きあるいは不向きがあります。向いていなければ適当な人脈を形成する必要に迫られると思います。そして選挙区の陳情・要望に沿い実行予算を獲得する作業に傾注することになると思います。ここでの作業が山口さんの言われる「調整マシン」としての議員の姿であろうと思います。しかし本来の国会議員の職務からしてあくまでも「副業」だと考えております。また議員の心理としてこれを避けていては次の選挙での当選がおぼつかないと感じるからでありますが。
■国会議員の悪行
そこまでは良しとして国会議員の悪行として指摘しておかなければならないものがあります。いわゆる利権・口利き斡旋業であります。よくあるケースは指名入札・落札を条件に手数料を稼ぐやり口であります。国会議員の政治力を背景に入札担当・公務員を脅しあるいは篭絡し議員の言うがままに操り議員の指定した業者に落札させ、その見返りに裏金を稼ぐやり口であります。この場合は裏金が一般的ですが、さらに巧妙なやり方としてはこれを政治資金規正法に遵守した合法的な政治資金として処理する方法です。寄付側の帳簿上に適正に処理されているならば表面的には問題なさそうですが、これは政治献金にカムフラージュしたいわゆる黒い金であります。正規の入札に見せかけはじめから特定の業者に落札できるように仕組んでいたことに問題があるからです。もちろん入札金額等の情報が事前に漏洩してるはずです。このようケースの場合は「調整マシン」とはいわないです。これは汚職であります。
今回の鈴木議員の場合は別のケースです。これは国有林の違法伐採により行政処分中の企業に対し処分期間中に失った利益の回復のため処分期間明けに相応の便宜を図るように林野庁に圧力をかけたという嫌疑であります。その見返りに500万円相当の請託があったとするものです。
>日本に対するぼくなりの処方箋を書いてみます。
>
>
>アメリカ議会の勢力および日米比較から、日本の参議院議員は現在の各都道府県に1名、計50名もいれば十分。また衆議院議員は人口40万人に1名、計300名もいれば十分でしょう(40万人が1ユニットになるよう選挙区を再編して一票の格差をなくす)。閣僚や議長などに就任する人が出て欠員が生じても議会には300人超いたら十分でしょう。
賛成です。具体的な議員定数の問題はあとで検討すればよいことです。
>リストラされた国会議員は法制度を整えてロビイストに転身したらいいと思う。とりわけ参議院議員の多くは、特定業界の国会常勤ロビイストに近い存在だと思うので、肩書きと定性的な機能を一致させたほうがスッキリし、頼む人・頼まれる人の双方にやましいところがなくなります。議員時代に領収書を出せなかったキャッシュは、プロフェッショナル・フィーとして堂々と自分名義の銀行口座で受け、そして確定申告する(笑)。議員クラスのコネと政治力があればミリオンプレーヤーが十分射程圏内に入ると思います。ステイタスは落ちても、年収で現役議員や大手企業の上級幹部に優るケースが多いと思う。
>
>一方、国会議員の総バジェットを維持すれば、彼らの年収は5000万円近くなる。浄財としての個人献金が増えれば年間で億単位の政治資金が得られるはずで、そうすれば秘書給与をネコババしなくてもある程度の陣容が整うと思う。いかにステイタスが高くとも、公職なのだから収入はそのくらいで我慢して、陳情などの雑務はロビイストに明け渡し、クリーンにそしてピュアに国益追求や大きな利害調整に邁進していただきたいと思う。有権者は現行法の理想とする公益の増進に資するような政治的な問題を見つけたら、政治家に手紙を書けばいい。そして政治家としてのパフォーマンスを冷徹に評価し、一票の権利を行使したらいいと思います。
このご提案のロビイストについては選挙区事情という特殊条件を考えた場合、まだちょっと無理があるような気が致します。又、米国並みに議員スタッフを公費でまかなう方向性で論議していけば秘書給与問題は解決に向かうのではと個人的には考えております。もちろんこれについては現状でも問題はないとする意見も多いですが.....。
|
|
|
|
|