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□投稿者/ 山口
- 02/7/2(火) 11:34 -
□URL:
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こんにちは。
まだ日本にいたころ、大学病院のお世話になったことがあるのです。検査をしてもらちがあかず、病名が確定できない医師の知人を信用することはできなかった。思い余って友人・知人・先輩などに相談し、何通もの有力な紹介状を遥かに凌駕する強いコネを得ました。そこで出会った先生の抜群の能力と温かい人柄に感動し、畑は違えどああいう専門家になりたいと思うようになり、今日に至っています。お世話になった方々へのご恩は終生忘れられません。
問題は、本当に困っているときに、ああいう超一流の専門医に出会うために費やす無駄な時間と受診・検査(リードタイム)をもう少しどうにかできないかということです。なにも知らなければロシアン・ルーレットを回すようなもので、どの病院・医師に当たるかは運を天に任せるしかない。当時のぼくは、最悪の場合、人生設計を抜本的に見直す必要があったため、急ぎに急いでいました。
その過程で、医療に関する様々な疑問について、医療関係者の方々は、友人の医者たちですら喋るまいと思われるようなことまで率直に教えて下さいました。古川さんの著書は読んでいませんが、医療ミスが起きる背景や隠蔽の実情はぼくなりに理解しています。
で、その実態を知って一体どうするか?
大局的には、現場の心ある医師が「アレはちょっと・・・」と思うような問題点を是正する方向に進めたら良いと思います。その目的達成のためにマスコミ・ジャーナリストに利用価値があるなら、大いに利用したらいい。ただし、アメリカ的に患者の権利を叫んで暴れても同意書の文言が長くなるだけ、訴訟を起こしまくればそのコストが医療費に転嫁されるだけの気がする。過去を振り返り、場当たり的な左翼的闘争は、長い目でみると全員の不利益につながることが多かったように思う。改革を成功させるには、是が非でも良質なインサイダーを多数味方につける必要がある。心ある人の退路を封じて全員を敵に回してしまったら、田中真紀子の外務省改革のように失敗してしまうでしょう。単純に突撃したら、当初の志とは全く逆の結果が待っているかもしれない。
非力な一個人としてはどうしたらいいのか?
一家全員が一人の医師のお世話にならないこと。わか家はランキングのスコアの高い順に、長男・長女・妻・ぼくの順番で別々の医師を主治医にしています。万が一のとき、昼夜を問わずだれか1人くらいはつかまるだろうという期待、セカンドオピニオン・サードオピニオンがとりやすく性格バイアスを差し引いた判断が容易になるだろうという期待、複数の紹介状ルートが確保できるだろうという期待、意に添わない医療があれば即座に別ルートに切り替えられるだろうという期待。
素人目には無味乾燥した大病院で大差ないように見えても、現場の医師の目からみて「あそこは事務局・医局の体質が悪いからお勧めしない」という病院があるのは本当らしいので、そういうところはいかに近所でも避けるしかないと思う。救急車で運ばれてしまったら万事休すですが、そういう病院は紹介状をもらっても無視し、閑古鳥を鳴かせてベッドをガラガラにし、市場原理を通じて淘汰か改革かの二者選択を当事者が決めれば良いと思う。
知ることは重要だと思いますが、事実を知った後どう対応するか。我々一人一人の対応で、日本の医療制度や業界のピクチャーは大きく変わるはずです。
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