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> 先日の朝日新聞には、こういう動きはブッシュ政権が共和党右派を基盤にしているからだという記事が出ていました。そのうち特にキリスト教ファンダメンタリストが、国連人口基金脱退を中絶反対の立場から主張していて、ブッシュ政権がそれを受け入れたんだとか。
朝日新聞だと所詮そういう取材・論調・分析にしかならないでしょう。
先ずブッシュについて。現政権がクリスチャン・ライトの支持を得ているというより、ブッシュ本人がそのメンバーのはずです。ただし、彼は現在アメリカ大統領という究極の公職にあり、また北東部で生まれ育っているため、賛同はしないまでも左翼・リベラル思想は理解できる。個人的な好き嫌いを抑えて相当ニュートラルな方向に寄っている印象ですよ。あれでも。最近の日本だと、森元首相と神道の関係に近いかもしれない。さらにマスコミと相性が悪く、記者が嫌いで、失言が多く、知性を感じさせず、インテリに蔑視されるのも似てる(笑)。
次に宗教勢力について。不景気等で内政が行き詰まると、極左レフトや宗教右派・新興宗教などの急進政治勢力が増えて活気づきますよ。後者は宗教団体というよりも政治結社に近い。日本の創価学会もそうではないかと想像しますが、神様・仏様との関係よりも世俗との関わり方に目覚め、関心がそっちに向かうのはネオ宗教の世界的潮流です。さらに、一見して水と油に見える左右の利害が面白いほど一致するのも世界的傾向。イスラエルへの支持、グローバリゼーション・資本主義・自由主義への反発など。これらは冷戦終結後の90年代から顕著になったものです。さらにバランスの取れた良識あり声の小さい中間層が愛想をつかして無党派になるのも世界的な流れ。人間の営みですから。日本でもこれにきわめて類似した状況があるはず。
アメリカは建国以来、本格的な挫折を経験していません。保守・リベラルの双方が、寝言のごとき理想主義・空想主義に走るのはそのためです。戦争に負けるまでの日本もそうだったでしょう。日本・ヨーロッパは世界大戦で少なくとも一度は国土が荒廃した。その現実に直面し「神なんていないんだ」「理想と現実は別物だ」「物事なるようにしかならない」などの諦観が混じったリアリズムがプロットされている。これがアンビバレントな米国観が形成される一因ですね。
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