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韓国で多様な歴史観が議論できるようになったのは、非常によいことです。
山口さんがおっしゃるように、それだけ韓国が自信をつけてきたのでしょう。そういう韓国は、これから日本にとって頼もしいパートナーで、なおかつ手ごわいライバルになるだろうと思います。
とはいえ、日本人が、
>日帝(日本帝国主義)治下の韓国人の生活に表れた肯定的な面は無視してはならない。
という安教授の言葉にあぐらをかくのはどうでしょうか。
私には、安直過ぎるように思えます。
当時、本当に日本が韓国の近代化を意図して、人と時間と金をかけて社会インフラを整備したのなら、どうしてそれがここまで恨まれなければならないのか。
よっぽどやり方がまずかったんでしょう。
生身の人間相手の仕事をしていて、トラブルを起こした場合は、事情はどうあれ、自分のやりかたにまずい所がなかったか考え、今後の糧にするのが普通の発想です。
韓国の国民性が特殊だというのが、よくある言い訳ですが、半世紀も統治しててその「特殊な国民性」を把握せず、対策も採らなかったのは、無能って言わないんですかね。
その結果、韓国との関係をこじれにこじらして、敗戦後の日本に多大な損失を与えた。
「日本は韓国によい事をしたんだ。」
と本当に信じるなら、稚拙な統治でその成果を台無しにした当時の日本政府の責任も追及するのが、筋ってもんでしょう。
そして、その失敗を糧にして、明日への教訓を引き出すべきだ。
どうしてそれをやらないんでしょう。
最近、「敗戦真相記」(永野護 著)という本を読んだんですが、これは敗戦直後の昭和20年9月に、当時国会議員だった永野氏が広島で行った講演の記録です。
http://www.basilico.co.jp/publishing/005/005haisen.html
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901784048/249-8264690-9574755
この中で、すでに日本の敗北の原因のひとつとして、
「アジアのためといいながら、実は日本の利益しか考えていなかったために、アジアの民衆の心が離れてしまっていた。」
ことが挙げられています。
答えはとっくに出ているんですよ。
ただ学ばないだけ。
「韓国のため」と言いながら、実際は日本の利益のために近代化した韓国を都合よく利用しただけだった。
その欺瞞が恨みを買った原因でしょう。
たとえ善意でやったことでも、おためごかしになってしまえば恨まれこそすれ感謝されることはない。
世間を見回せばいくらもあることです。
安教授の意見は、日本人にとっては面映く有難い事ではありますが、黙って頭を下げるくらいが節度ある対応というもので、「そら見たことか」と大声で騒いでは、人格を疑われるだけです。
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