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□投稿者/ 5628
- 02/4/5(金) 18:01 -
□URL:
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>ところで、5628さんの投稿を全て熟読したうえで、未だに率直に疑問なのですが、使用済核燃料の処理、そこまで焦燥感に駆られた手当てが必要なほどにヤバイ状況ですか?
ええ、そうですよ。
今、使用済み燃料棒をプールに入れておるのが現在の状況ですが、もう一杯なんですよ。
で、燃料棒の被覆金属というのは3ミリくらいのものですし、もうすぐ破れて、中の「死の灰」が漏れ出すころです。
で、プールの耐用年数も近づいている。それに、放射線による金属劣化で、さらにぼろぼろになってきてる。
じゃあ、プールを新設するとなると、発電所付近の住民は大反対まちがいなし。
だからこそ、ブッシュがネバダにつくる計画を発表してるわけです。
死の灰の管理を誤ればどうなるかということは、ニューズウィーク日本語版の2001年の5・6月のセミパラチンスクの写真が物語っております。
樹木が木炭になっておりますぞ。炭焼きの手数がいりません(笑)。
で、スリーマイル付近では、植物の異常変異(きのこの巨大化・植物の生育異常)が多発しております。
しかし、んなことマスコミに載るわけがありません。
まあ、それはいいのですが、今までの三つの方式(再処理・ワンススルー・地層処分)は、各々深刻な問題を抱えているわけです。
従って、各国共同で「もっと安全な処分方法」を開発し、実行していく必要があります。
>さて。不良債権や核廃棄物は至るところに存在し、ぼくの知る限りでは、前者の処理は先送りされることが少なくありません。核廃棄物を不良債権に準じて考えるならば、むろんゼロにするのが理想ですが、現実的にはmanageableかどうかが重視され、それがイエスならリスクコントロールができていると考えます。これまでの報道を大枠で信じれば、不良債権・核廃棄物のほぼ全てがmanageableだったといえるのではないでしょうか。
1980年代にあった、フランスのラ・アーグ再処理工場の停電事故について調べてみては?
フランス軍から、発電機が来なければ吹き飛んでしまい、北半球全域が致死量の死の灰で覆われてしまって、この世にいなかったはずですよ。
こんなことは、知らずに生きたほうが、精神衛生にもいいし、仕事がはかどるもんですが、現実は現実。
で、このような状態をなんとかしようと、アメリカがガラス固体化技術を研究しておりましたが、現在、何をやってもだめでしてね。
結局、アン・マネージャブルだということがわかって、ハンフォードの場合は爆発性の液体廃棄物のまま、絶えず冷却しないと吹き飛ぶ状態で貯蔵されております。
また、タンクには猛烈な放射能のためかよく穴が空いて、外に漏れ出すんで、補修したり、タンクを変えないと危ないわけです。
しかし、この方法で無いとプルトニウムの抽出ができないから、これでやっている。
で、たまりっぱなし。
>不良債権問題→世界恐慌→世界戦争、あるいは原子力施設事故→地球規模のフォールアウトなどの最悪の事態には至らずここまで来たのではないか?という意味のことをいっています。もっといえば、犠牲者がのべ何人いるか知りませんが、まさか1000万人超ということはあるまい、と。それゆえ、将来のことはわからないけれども、少なくともこれまでのところ不良債権・核廃棄物ともにmanageableであったと考えます。
私達が知らないし、知ろうとしない所・人々の誠実と献身と犠牲があるからこそのもの。現在においてはの状態で。
もし、こういう人々に深甚なる敬意と感謝をしないでいて、「管理可能」というのであれば、人として羞恥心の無い許されざる態度であると思います。
それを、認識しているかということです。
>5628さんの科学者的な合理主義・完璧主義には馴染まないかもしれませんが、リスクを100%ヘッジすることはできないので、全体としてmanageableである限り、マージナルな部分はコストとの見合いでリスクテイクするに値する、というのがビジネスマン的思考です。
昔から、ビジネスが技術を刺激してきたし、圧迫してきたけど、原子力系の場合はビジネスが暴走し、技術開発がしっかりせぬままに活発にさせたため、問題が日に日に深刻になってきています。
ですが、安全処理なんぞ、商売にならんでしょうが。
航空機の安全管理然り。バリュージェットが良い例です。
>この期に及んでは核廃棄物と似た部分もあるのでしょうが、日本の不良債権が問題視される理由は次の2点にあるように思う。(1)「最大多数」の「リビング・スタンダード」を脅かすに至ってしまったこと、(2)「manageableでない」フェーズに移行してしまったこと。この2つの問題がなければ、80年代までのように、おそらく不良債権問題は当事者だけの問題で、国内外の大多数の人々にとっては全くの他人事だったでしょう。
アメリカ及び北半球世界の場合、「技術的にろくな管理のできないまま、先走ってビジネスに走りまくり、現段階において深刻な状態に移行しているのを知らないこと」です。
だから、「はよう、廃棄物安全処理の技術開発を国際的にせんかい!」ということなんです。
あんなもんが、今までの方法で何百年も管理できると思うのであれば、あまりにも甘すぎます。
>ひるがえって、現時点ではアメリカの不良債権・核廃棄物はともに全米レベルのリビング・スタンダードに影響を及ぼしていません。これは一在住者としての意見です。上記(1)(2)への懸念が高まれば、こちらの国情からしてプロンプトで強力な対症療法的応急処置が行われるでしょう・・・と思います。
この廃棄物問題は、「生存のためには最低500年は、外の環境に漏れてはいけない」という性質の問題です。
それでも、「1グラムで最大100万人癌で死なせる」というプルトニウムが残るから、実質何万年になるわけです。
んなこと、国民が知ったらパニックになってしまって、収拾がつかなくなるでしょうよ。
それに、理解したとしても、あまりに深刻なんで「考えないようにする」心理規制が働くわけです。
今、私はトリウム溶融塩原子炉をよく取り上げていますが、あれなら今までの廃棄物の問題を「何百年の問題」に持ち込めるし、これがまた廃棄物の管理を飛躍的にしやすくする。出力の上げ下げも安全にできる(アメリカ軽水炉では出力調整は危険)。配管漏れの危険が少ない(アメリカ軽水炉ははじめから、使ってはいけない材料らしく危険)などなどで、この方式は有望であると思います。
トリウム溶融塩原子炉の開発と実用化でいくなら、きちんとしたリスクヘッジになるでしょう。理論的には、廃棄物処理も飛躍的に安全になる。
オークリッジの場合は、ほとんど無事故でしたから。
軽水炉の場合は、アイダホで一回吹き飛ばしておりますがね。
基本的には、暴走させて吹き飛ばすことが可能な方式なんですね。
しかし、トリウム原子炉は暴走させられないくらい、暴走させにくいものです。
こんなやばい方式の原子炉を、「事故をおこしそうな」アジアの某国家に支援で建ててしまったら、どうなるやら。
あのアメリカ産軽水炉は、充分民主的な国家で国民が監視できる状態でないなら、安全に動かせないと思わないと。
あんなもん、アジアに建てられたら、アジアの迷惑です。
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