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広義の同業者として思うところを・・・。
先ず、ぼく自身は景気底入れを宣言した3ヶ月後になぜデフレ(不況)対策を発表しなければならなかったのか?という根本的な疑問があります。あれを周囲で信じた人は皆無。諸事情や能力的問題で判断を誤ったと思います。今次のデフレ対策には服部さんと同様、ぼくも辛い見方です。
>先ごろ、政府は、デフレ対策に、一層の不良債権処理をすると発表しましたが、私には理解できません。
>どうして、不良債権処理が、デフレ対策になるのでしょうか。
不良債権処理が当座のデフレ対策になるはずがありません。でも、これは日本が熱狂したあの「構造改革なくして景気回復なし」と同一ロジックですからね。
改革派vs守旧派という対立軸で二元論を展開するからああいう低次元の(専門的見地から意味不明な)スローガンがまかり通る。ぼくにはマスコミと有権者が自爆したようにしか映っていません。個人的には構造改革路線を支持しますが、あんなレトリックでだます方もだまされる方も大丈夫なのか・・・???という印象。
昨今のムードから改革派のレッテルを得たら選挙は勝ったも同然。いわゆる「負ける(不況)が勝ち(当選)」の政治版です。現首相が先鞭をつけ、先日の長野知事選でその有効性が確認されている。田中知事vs県議会に下された民意を国政に敷衍すれば、土建屋型の公共事業はNG。不良債権の権化たる第三セクターの債権回収にナント地元民がGOサインを出した!?と拡大解釈されても仕方ない。地元の方々はオリンピック景気の反動とでも思って諦めるしかないですね。
その場しのぎの国政選挙ならムードに流されるのも一興でしょうが、経済は万物流転の生き物で、全ての人々の生活と現ナマに直接かかわります。ここも田中支持者が多かったと思いますが、一時のムードやスローガンにダマされることなく、よくよく熟慮しないと・・・。
>また、今の銀行は、リテール機能の強化で、小口の消費者金融に走っています。それも、消費者金融業者とリスクをカバーしあって、高い金利でしています。
>預金金利が、雀の涙にもならないのに、小口ローンは、15%もの高金利をかけています。
>こんな金融事業者としての自覚に欠ける事業を行うものに、これ以上の公的資金による、不良債権処理をする必要があるのでしょうか。
公的資金の有無にかかわらず、客観的に眺めれば、さらなる危機→淘汰の方向性は明らか。残念ながら。一気に潰してしまえ、とはだれもが思うことですが、潰れたときの影響(信用不安)がどこまで波及するかわからない。やってみないと何ともいえない面があります。
銀行は株式会社ですが、一方で関連法規で活動を著しく制約された国策企業です。良くも悪くも、日本の銀行(および国家財政)は日本経済のリスクをよく引き受けてきました。どれほどリスクを負ってきたかは、破綻して初めてわかることかもしれない。本当なら破綻したつもりで背水の陣を敷いて頑張るほうが、破綻して頑張ることを余儀なくされるよりもずっといいですが。中東和平を語るがごとき理想論です。
信用履歴が万全で職が安定しており総合口座があって15%の貸出レートだとすればぼったくり過ぎです。そういう金融機関と取引をしないことが淘汰を促します。金利が金融機関や借主によって違うのは本来当然のことです。いまだと金融機関を探して交渉すれば5%以下のレートが出る人もいるのではないでしょうか?
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