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>>発案者をちょっと調べてみたところ、ハリウッド・シリコンバレーを地盤とする弁護士上がりの典型的なリベラル系民主党議員と、コーストガード上がりで中西部を地盤とする典型的な保守系共和党議員ですか・・・。この両者が呉越同舟しているところにアメリカの帝国的な空気が感じられますねぇ。
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> 電力危機に瀕しているシリコンバレー地盤で、難しい状況にあるコンピュータ業界の支援があるであろう民主党弁護士のようですね、思うに。
> 共和党の方は知りません。中西部は、可哀想な所ですけど...
元記事のリンク先から本丸はハリウッド(映画・音楽産業)。そこに知的所有権・パテント絡みの弁護士がぶら下がって吠える、という米国リベラル勢力の典型的なタスクフォースを母体に、インターネットセキュリティー(国家安全保障)という近頃流行のトレンドに沿って共和党系勢力が相乗りしている図式。・・・だと思います。
通信・コンピュータ関連業界は箱モノの繁栄が会社の利益なので、たとえばナップスターのような会社が栄える展開を歓迎する。ある意味でハリウッドとは利害対立すると思います。
>>個人的な意見として、エンターテイメントのコンテンツやソフトウエアなどの製造元のマージンが高すぎることが問題である一方、違法コピーなどの著作権侵害もやはり問題で、この両エンドが同じくらいデタラメな印象はあります。理想をいえば5628さんが意図されるであろう適正な均衡価格へと収斂させ、その代わりユーザーは絶対にカネを払う、というモデルを構築すべきだと思う。しかしこれはアメリカ国内ですら関係業界の調整がついていない問題で、ここに諸外国まで巻き込んで調整しようと思うと、解決には途方もない時間を要するんでしょうね。
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> これには、自由競争の理念に反すると思いますが、適正価格と適正取引のための強力な国内及び国際機関が必要です。
> 異常な価格は違法行為を招き、違法行為は異常な価格を招く。
> 関係業界の調整がつかないというのは、米国政府が企業に対して重要な場面で制御がきかないということになります。
政治的なことからいえば、ハリウッドは米国リベラル勢力の有力支持母体。強い政治力があります。リベラリズム的な美しいタテマエと、カルテル的な管理体制というホンネ、のダブルスタンダードは崩さないでしょう。
経済的なことをいえば、映画への投資はウオール街的なそれ以上にリスキーな一面があり、末端で価格規制されたら創作意欲・投資意欲は確実に減退し、ひいてはリスクテイクに応じたリターンが期待できるというアメリカ資本主義の根幹に影響すると思います。各種のソフトの価格形成は実に不透明なのが現状ですが、違法コピーを想定したプレミアムを乗せる場合、割を食うのは善良な消費者層でしょう。損をした気分にはなりますね。取りやすいところから取るというわが国の税制と同じような構図です。
個人的な意見をいえば、あんなものをネットでダウンロードして視聴する必要は全くないと思っており、従来通りCD・ビデオ・DVDなどの媒体で購入できれば充分だと思っています。さらにハリウッド関連は必需財ではないので、嫌なら買わないという選択肢があります。
しかし、この問題を薬品や遺伝子特許などの必需財に近い知的財産に拡大すると事情は異なってきます。日本の場合、高齢化を控えて医療コストを圧迫するだけでなく、現在の研究開発の状況からして将来ひと儲けできる可能性も秘めているため、日本にとって重要な問題を含みます。
最後に、もともとインターネットは国境を越えたツールという触れ込みで広まったと理解しています。90年代に行われたアメリカ的グローバリゼーションの実験の結果、各国が、グローバル化したものとローカライズしたものに二分化した。前者と後者は峻別して対応しようというのがアメリカ財界的な考え方です。全てを前者ベースで押し切ろう・・・という部分に、ねこかぶりさんの反権力的な嫌悪感・予防的反感があるのだろうと思います。しかし、クリントン時代のエシュロンを思えば、ホークになって大っぴらにやろうとしているだけ良心的かつ人畜無害である、と思うんですけどね。
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