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  [810] Re(2):住基ネットワーク問題
  
        
  
>こちらには社会保険番号(SSN)があります。この手のことに疎くて恐縮なのですが、ぼくが受給資格を得る頃には社会保険が破綻しているかもしれません(苦笑)。あの番号は、基本的に納税者番号&身分証明番号&信用情報照会番号として利用されていると理解しています。

米国の社会保険番号(SSN)は承知しております。以前、ある米国サイトに登録しておりましたが、ここのメンバー登録時にはSSNが必要でありました。私は日本人ですから当然SSNは取得しておらず代わりに日本国内の健康保険証・被保険者番号で勘弁してもらいました。それ以来、SSNにはそこそこ関心を持ちどんなものなのか調べてみたものです。

社会保険番号・SSN(Social Security Number)とは基本的に国から社会保障費を受けるために必要な登録番号であり社会保険事務所(Social Security Office)において本人申請することにより発行されるものであります。本来的な用途はそれだけでしたが、その利便性が着目されいつのまにか官庁・民間を問わず納税・銀行口座開設申込・雇用時・役所手続・免許証取得等の際に本人確認のために使用され、データも入力更新されていくようになったものです。そもそもがはじめから有機的な体系で立案・計画されたものでなくあとから勝手に利用範囲が追加され(とくに民間ベースでは顧客の身上調査が容易くリスク回避に手っ取り早い)いまや米国内・総背番号制の代名詞と化しているものです。したがって相手側攻撃のダシに利用されることも多く、本来的矛盾も抱えている制度であります。

この投稿記事の最下段にSSNについての関連記事を追記しておきます。その内容は衆議院「住民基本台帳法の一部を改正する法律案に関する国会審議」において米国・SSN制度に関する参考人よりの意見陳述であります。時は1999年5月6日のことであります。

>もちろんご指摘のような日本国民のプライバシーに関わる問題もあるのでしょうが、アメリカのSSNは当然スタディした上で導入したのでしょうから、.....

ですから十分なスタディがあったとはとても認めがたいと考えております。

>..... 来たる有事に備えた不法滞在者・密入国者などの摘発、つまり国内の治安維持が最大の主眼であろうと想像します。生活者の視点からいえば、SSNの最大の問題は、その番号がないと実生活に尋常一様でない不便が伴う(銀行口座すら開かず、車の免許すら取れない)ということ。端的にいえば地下に潜るしかありません。つまり、日本政府の矛先は日本国籍を持つ日本人ではなく、本邦に不法滞在している第三国人の方向を向いていると捉えます。

全くその効果など狙ってない、までとは申しませんが、少し考えすぎのようでもあります。

>ただし、第三国に異常な配慮がある日本政府は、余計な波風を立てるであろうその種のホンネを決して公言しないでしょう。ホンネをいえばいいのです。日本人かどうかをスクリーニングすることが最大の主眼で、第二次的に信用情報データベースとしても使うこともある、と。

解釈方法は個々人の勝手であります。

>高度な個人情報のハンドリングが手に余る公務員は少なくないでしょうし、いざやれと言われて当惑する自治体もあるでしょうが、いまくらい世論・メディアがウオッチしていれば、個人情報がアバウトに管理される心配は少ないように思います。実際にそれを最も嫌う最右翼は(たとえば脱税に近い節税に日々励んでいる)富裕層・資産家層です。自民党の有力支持母体でもあり、国政はそういう人々の意思で大きく左右される。余りにもデタラメなことをやっていると政権は転覆しますし、住民票を抜いて外国に行ってしまうでしょう。

相変わらずの山口さん流の考察であります。もちろんご意見は尊重いたします。
私は貧乏人でありますが、これらの住基ネットに自分及び家族の情報が勝手に網羅されることには強く反対を表明いたします。
貧乏だけに他人に垣間見られることは嫌なのであります。
それが理由であります。

>論じられている批判はチェック機能として必要で大いに価値があると思っていますが、ぼくは杞憂に終わるだろうと考えています。

そうならないことを希望したいと思います。


◆参考記事◆
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■第145回国会 衆議院・地方行政委員会 1999年5月6日
□住民基本台帳法の一部を改正する法律案に関する国会での審議
□参考人 石村耕治(朝日大学法学部教授)の発言より抜粋
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 それから、問題の第四点でありますけれども、アメリカでは社会保障番号、カナダでは社会保険番号を使っていますが、プライバシーの問題が多発しています。多目的番号をつくらないことが最強のプライバシー保護措置と言えます。
 まず、アメリカのSSN、カナダのSINは、本人申請で番号が付与される仕組みであります。これに対して、自治省の想定している住民票コードでは、おぎゃあと生まれたときに役所が強制的に付番する仕組みであります。
 SSNやSINは、本来、社会保障目的で限定目的で利用されているものが、歯どめがかからなかったことから多目的に拡大利用されて今日に至っているものであります。SSN、SINの乱用は後を絶たず、民間での垂れ流し、地下利用はもちろんのこと、政敵の追い落としやリベラルいじめなどでも大問題となっています。最近封切られたアメリカ映画「エネミー・オブ・アメリカ」、原題が「エネミー・オブ・ザ・ステート」は、SSNの乱用の危険性をドラマチックにあらわしたものと言えます。
 かつて、カナダの政府はSINの利用制限を試みました。しかし、一たん多目的利用に供された番号の利用を効果的に制限するのは非常に難しいわけであります。アメリカの議会でもSSNのコントロールがしばしば議論になっています。しかし、民間まで使っているSSNの利用制限は困難なのが実情です。
 アメリカ、カナダの実情から学ぶことは、どのような限定番号でも、歯どめをかけずにほっておくと、事実上の国民背番号にエスカレートしてしまうということです。ましてや、自治省が考える住民票コードは当初から多目的利用が想定されており、将来的には民間からのプレッシャーにより際限なく利用が拡大することが危惧されます。
 また、自治省構想では、住民票コードを使ったデータ照合、コンピューターマッチングは認められないとしています。しかし、多目的の共通番号を導入することそのもののねらいがデータ照合の効率化にあるわけであります。共通番号を導入している国では、法的にデータ照合規制を行っているのが常識です。にもかかわらず、委員会では全くこの点について議論されておりません。
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