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  [726] 「いかにもありそうな話」と「真実」の狭間
  
        
  
 すでに終わって久しい話題なんですが、遅刻レスです。

 「韓国チームの大躍進は陰謀」説ですが、状況を見ると、たしかにありそうな話です。特に、韓国サッカー協会の会長が次期大統領選に立候補するのではないか、というニュースをみると、やっぱりそうか、とも思われます。
 ただ、「いかにもありそうな話」と「真実」を混同する危険は、わきまえておくべきでしょう。「状況から見て間違いなくこうだろう」というストーリーが事実と違っていた、ということは時々経験することだと思います。韓国チームの件も、具体的な証拠が明らかになるまでは「いかにもありそうな話」に留まります。
 これが警察や裁判所、おそらくはジャーナリズムもそうだと思うのですが、証拠なしで状況だけで物事を断言することはないでしょう。ただ、「週刊 アカシック・レコード」を書いている佐々木氏は作家ですし、彼のサイトは究極的には自身の作品の宣伝とのことですので、そういう場であの話をかくのは「あり」だと思います。それが作家という立場の自由さであり、また限界でもあります。

 あと、彼のサイトで繰り返し書かれている韓国の国民性ですが、これも、遠くからニュースだけで韓国を眺めていると、「いかにもありそうな話」にみえます。ただ、「AERA」に連載されていた沢木耕太郎氏のワールドカップ観戦記には、佐々木流に一括りにできない、いろんな韓国人が出てきます。安楽椅子探偵よろしく遠くから眺めた韓国像と、沢木氏が疲れた体を鞭打って駆け回りつつ出会った、血肉を持った韓国人の姿と、どちらのほうが「真実」に近いのか。よくよく考えて見る必要があります。
 あのときの韓国の熱狂ぶりは、私には韓国国民の自信のなさや不安の裏返しにみえました。国家目標を失なって迷走する日本と比べて、まだまだ伸びる余地のある国だと思っていたのですが、かの国の台所事情も、決して楽ではないのだな、と感じました。
 
  
  
  
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