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管理人です。
> もう一つ、私には疑問があります。
> 人工心肺のトラブルの事故を、さらりと流して見たのですが、人工心肺には「フール・プルーフ」設計がされていないように思います。
> 「フール・プルーフ設計」というのは、「誤った操作をした場合、それを知らせ、さらに自動的に事故を起こさない方向にしていく」という設計思想なんですが、いろいろ見ていますと、さようなことを意識した設計には思えません。
> 何故なのか、気になります。
> 出来ないわけでもあるのでしょうか?
東京女子医大・平柳明香さん・医療ミス事件の核心・人工心肺装置のトラブルの詳細について読売新聞・データーベースより拾い出してみました。その中で私も一部誤った理解をしておりましたので訂正します。
つまり心肺装置は停止したのではなく間違った操作が行われていたということです。手術開始にともない心肺装置・操作担当のS医師が脱血を当該手術の基本方針であった落差脱血法で処理していたところそれがうまく行かず、急拠自らの判断で心肺装置のポンプを利用して脱血する方法に変更したものです。しかしこれもまたうまくいかずS医師はあろうことかか心肺装置のポンプの回転数を異常に上げていきます。そしてこの重要な変更は執刀医に伝えられておらず、それを知らない執刀医はその影響で異常に膨れ上がり鼻などから血を噴出す患者の顔の外見的変化に驚き心肺装置担当のS医師を叱咤します。が、しかしすでにS医師はパニック状態に陥っていたとのことであります。
このことの詳細を伝える読売新聞の記事がありましたので、下記にそのまま転載させていただきます。ぜひ参考にして下さい。
■2002.06.29 読売新聞 東京夕刊19面
東京女子医大の佐藤容疑者、手術中にパニック 急変時の人工心肺操作知らず
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東京女子医大病院(東京都新宿区)で昨年三月、心臓手術中に平柳明香(あきか)さん(当時十二歳)が死亡した医療過誤事件で、人工心肺装置の操作を誤ったとして業務上過失致死容疑で逮捕された同病院循環器小児外科助手、佐藤一樹容疑者(38)が、手術中、明香さんの容体が急変した際にパニック状態に陥り、駆けつけた臨床工学技士が代わって処置に当たったことが、警視庁牛込署特捜本部の調べでわかった。同外科では、同装置の操作を専門家の技士ではなく、医師が担当することが慣例化していたという。特捜本部では、十分な技量や知識がなかったとみられる佐藤容疑者に操作を任せていたことも事件の背景にあるとみて捜査している。〈関連記事1面〉
調べによると、昨年三月二日に行われた手術では、明香さんの心臓からの脱血方法について、血液をためる容器と心臓との高低差を利用した「落差脱血法」を採用する予定だったが、佐藤容疑者一人の判断で、人工心肺装置のポンプを利用した脱血方法に変更。その後、同装置のポンプの回転数を上げたため、血がうまく抜き取れない「脱血不良」が発生し、明香さんの顔が異常に腫れあがり、鼻血が出るなど容体が急変した。この時点で、佐藤容疑者は原因がわからずパニックになってしまった。脱血方法の変更を知らなかった周囲のスタッフもすぐに対処できず、事態を知って駆けつけた同病院の技士が処置することになったという。
その間、脱血不良の状態は少なくとも十分以上続いたとみられ、緊急時の処置の遅れが、脳障害を合併させて脳循環不全で明香さんを死亡させたとみられる。
昨年十月に発表された同病院の調査報告書は、同病院の別の外科では通常、専任の技士が操作を担当していることに言及。「器械操作などの面は装置やシステムを熟知している専門のテクニシャンである技士に担当してもらい、担当医は監視、調節など医学的な側面から監督するシステムでよいのではないか」とし、循環器小児外科の体制に疑問を示した。さらに、同科関係者からの聴取結果として、「(同科の医師は)一般に人工心肺について技士たちを信じず、操作を技士に任せようとしなかった。技士たちも小児外科に対して必ずしもいい感情を持っていなかった」と指摘している。
調べに対し佐藤容疑者は、「事故の責任は手術した側にある」と容疑を否認する供述をしている。
以上が、そのときの状況であります。
これを読んで皆さんはどのように感じられたでしょうか。
つまらない意地の張り合いが重大事故を誘発したとして私には感じられてなりません。そしてその背景には患者の命の重さなど一片の紙の重さほどにしか感じていない医師たちの傲慢な態度が見え隠れしてなりません。
その後、今度はこの執刀医の陣頭指揮のもとにこの医療ミスの隠ぺい工作が行われていくことになります。
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